紙とは？
紙とは、植物から繊維を取り出して、水の中に分散させ、薄く平らに漉きあげ、乾かしたものです。
紙の10の特性を知る
- 1.薄く、平らで、均一の組成を持っている。
- 2.適当な機械的強さを持っている。
- 3.加工性（曲げる、折る、切る）が良い。
- 4.耐熱性がよい。（発火温度約２３０℃）
- 5.印刷できる。
- 6.味や臭いが無い。
- 7.水や油の吸収性がよい。
- 8.比較的軽い。
- 9.保存性がよい。
- 10.廃棄処理がしやすい。（燃やしても埋めてもＯＫ）
紙の分類
紙は、原材料や用途によって下の表のように様々な種類に分類されています。
| 印刷・情報用紙 |
非塗工印刷用紙 |
上級印刷紙 |
印刷用紙A(白色度75％程度以上)
その他印刷用紙
筆記・図画用紙 |
| 中級印刷紙 |
印刷用紙B(白色度75％程度以下)
印刷用紙C(白色度65％程度以下)
グラビア用紙 |
| 下級印刷紙 |
印刷用紙D(白色度55％程度前後)
特殊更紙 |
| 薄葉印刷紙 |
インディアペーパー
その他薄葉印刷紙 |
| 微塗工印刷用紙 |
（1m²当たり両面で20ｇ程度以下の塗料を塗布 使用原紙は中質紙） |
| アート紙 |
（1m²当たり両面で50ｇ前後の塗料を塗布） |
| 塗工印刷用紙 |
コート紙 |
上質コート紙
※1m²当たり両面で40ｇ程度以下の塗料を塗布使用原紙は上質紙 |
中質コート紙
※1m²当たり両面で40ｇ程度以下の塗料を塗布使用原紙は中質紙 |
軽量コート紙
※1m²当たり両面で30ｇ程度以下の塗料を塗布使用原紙は上質紙 |
その他
塗工印刷紙 |
キャストコート紙
エンボス紙
その他塗工紙 |
| 特殊印刷用紙 |
色上質 |
|
その他
特殊印刷用紙 |
郵便はがき用紙
その他特殊印刷用紙（ファインペーパー・製図用紙・小切手）など |
| 情報用紙 |
複写用紙 |
ノーカーボン原紙
裏カーボン紙
その他複写用紙 |
| フォーム用紙 |
|
| PPC用紙 |
|
| 情報記録紙 |
|
| その他情報用紙 |
|
|
| 包装用紙 |
未ざらし包装紙 |
重袋用両更クラフト紙 |
|
| その他両更クラフト紙 |
一般両更クラフト紙
特殊両更クラフト紙 |
| その他未ざらし包装紙 |
筋入りクラフト紙
片艶クラフト紙
その他未ざらし包装紙 |
| さらしクラフト紙 |
純白ロール紙 |
|
| さらしクラフト紙 |
両更さらしクラフト紙
片艶さらしクラフト紙 |
| その他さらし包装紙 |
薄口模造紙
その他さらし包装紙 |
| 衛生用紙 |
|
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオル用紙、その他さらし包装紙など |
| 雑種紙 |
工業用雑種紙 |
加工原紙、電気絶縁紙など |
|
| 家庭用雑種紙 |
書道用紙など |
|
紙のサイズについて
もともとの紙の大きさは？
日本の紙の原紙寸法は、JIS（日本工業規格）によって「A列本判」「B列本判」「四六判」「菊判」「ハトロン判」の5種類に定められています。
主な洋紙の原紙（全紙）寸法と面積
| 名称 |
寸法 |
面積 |
| 四六判 |
788×1091mm |
0.859（g/m²） |
| 菊判 |
636×939mm |
0.597（g/m²） |
| A列本判 |
625×880mm |
0.55（g/m²） |
| ハトロン判 |
900×1200mm |
1.08（g/m²） |
よく使われる紙の大きさは？
日常で良く使われるA4とかB5といったサイズは、A4はA列の大きい紙からB5はB列の大きい紙から効率よく紙を分けれるように設定されています。（下図参照）
そしてそれぞれに続く数字が１つ増すごとにその半分のサイズになります。このとき、縦と横の比率は1：√2(約1.4）の関係となっています。
（例） A4サイズ 210：297＝1：√2
１：√2は白銀比と呼ばれ、長い辺を何度半分にしても1：√2の関係は変わらず非常に合理的です。日本では古来より自然の中に合理的な数として白銀比を見いだし、それを文化の中に取り入れてきたといえます。
| 大きさ |
A列 |
B列 |
大
↑
↓
小 |
594×841mm（A1） |
728×1030mm（B1） |
| 420×594mm（A2) |
515×728mm（B2) |
| 297×420mm（A3) |
364×515mm（B3) |
| 210×297mm（A4) |
257×364mm（B4) |
| 148×210mm（A5) |
182×257mm（B5) |
| 105×148mm（A6) |
128×182mm（B6) |
| 74×105mm（A7) |
91×128mm（B7) |
紙の流れ目について
紙の目とは？
紙を作る工程において原料であるパルプの繊維が一つの方向に沿って並んだものです。紙には必ず流れ目があります。
・流れ目が長辺と平行であれば縦目→T目
・流れ目が短辺と平行であれば横目→Y目
保管の時に気を付けていただきたいこと
紙は湿度によって紙内部の繊維が膨潤したり収縮したりすることで流れ目と垂直方向に伸縮することがあります。そして、紙の表裏の伸縮度合いの差によって反ってしまうという現象が起こり得ますが、上図のように流れ目と平行方向に反りやすくなります。そのため紙を保管する場合、その環境の湿度管理に注意が必要です。
紙の厚さについて
紙の厚さの表現方法は？
紙の重さを表す方法は「坪量」と「連量」の二種類あります。
坪量（つぼりょう）（g/m²）
坪量とは洋紙、及び板紙1m²当たりの重量のことです。「g／（g/m²） 」で表示します。坪量は紙の重さに関する元となる数値です。米坪（べいつぼ）、メートル坪量などと呼ぶこともあります。
連量（れんりょう）（kg）
ある規定の寸法に仕上げられた紙1,000枚のことを1連（1R）と呼びます。連量とは1連の紙の重量のことをいい、単位はkgで表示します。連量は紙の厚みを知るための目安ともなります。
同じ銘柄の紙の場合、坪量・連量が大きくなるほど、厚い紙といえます。ただし、紙の種類は豊富でその密度もさまざまです。 違う銘柄の紙を比べる場合は坪量の大小だけで厚薄は判断できません。
同じ坪量（�屬△燭蠅僚杜漫砲了罎任癲� 寸法が大きくなれば、その分1,000枚（１連）の重さは重くなり、連量も大きくなります。このように同じ坪量で、寸法が違うときは連量の数字は異なりますが紙の厚さは同じとなります。
|
連量(kg) |
| 坪量（g/�屐� |
四六判 |
B列本判 |
菊判 |
A列本判 |
|
| 52.3 |
45 |
43.5 |
31 |
28.5 |
それぞれ、同じ坪量であれば、連量が異なっても同じ厚みになります. |
| 64 |
55 |
53 |
38 |
35 |
| 73.3 |
63 |
61 |
43.5 |
40.5 |
| 79.1 |
68 |
65.5 |
47 |
43.5 |
| 81.4 |
70 |
67.5 |
48.5 |
44.5 |
| 84.9 |
73 |
70.5 |
50.5 |
46.5 |
| 105 |
90 |
87 |
62.5 |
57.5 |
| 128 |
110 |
106 |
76.5 |
70.5 |
| 157 |
135 |
131 |
93.5 |
86.5 |
| 186 |
160 |
|
111 |
|
| 209 |
180 |
|
125 |
115 |
主力の紙の種類について
紙の種類と一言に言ってもたくさんありますが、今回はその中でもチラシ、ポスター、パンフレット、名刺などいろんなシーンでよく使われているコート紙・マットコート紙・上質紙の3種類の違いをご紹介します。どの紙を選べばいいのか分からないよーという方、是非是非、参考にして紙を選んでみてください！
コート紙
- 特徴
-
新聞の折込チラシやファッション雑誌によく使われていて、表面がツルツルとしていて光沢があるのが特徴です。発色が良いので、写真を綺麗に見せたいときに向いています。
- 注意点
-
コート紙は表面加工している紙なので、鉛筆やボールペンでの書き心地が良くありません。昔は、よくスーパーのチラシの裏にお絵かきをしたり、メモ帳として使っていましたが、このツルツルの紙にはいくら書こうとしても書きにくかったのを思い出されるかもしれません。
マットコート紙
- 特徴
-
会社案内やパンフレットに使用することが多く、光沢を抑えた高級感のある紙です。ツルツル具合は、コート紙＞マットコート紙＞上質紙の順で、マットコートは多少光沢がある紙です。光沢を抑えてテカテカしてなく、反射が少ないので、文字の多いものに適しています。
- 注意点
-
色の再現性は悪くないですが、コート紙のほうが再現性が高いです。
上質紙
- 特徴
-
コピー用紙やノートなど、文字を書くのに適している光沢のない紙です。鉛筆で問題なく書き込みができるので、アンケートやお申し込み用紙などに最も適しています。一般的には、紹介している3種類の中で一番安く印刷できるというのがポイントです。
- 注意点
-
再現性が悪く、写真やイラストが暗く沈んでしまうので注意が必要です。
ご使用時には、紙のサンプルを見ることをオススメします。それぞれの紙にメリットとデメリットがあるので、一概にこの紙が良い！とは言えませんが、紙選びの目安にしてください。
